どんな人におすすめ
・サラリーマンで時間が足りないと思っている人
・読む習慣がない人(長文を読むのが苦手な人)
おすすめできない人
・現在学生の人
・時間術の本を既に何冊か読んでいる人
内容
本書の構成
本書は、以下で構成されています。
プロローグ:著者が本書を執筆するに至る背景
第1章 自分を変える「時間術」:日常で時短するときのハウツー(とはいえビジネス寄り)
第2章 仕事を変える「時間術」:ビジネスシーンで時短するときのハウツー
第3章 勉強を変える「時間術」:資格や仕事で勉強をするときのハウツー
第4章 人脈を変える「時間術」:人間関係を構築するときのハウツー
第5章 恋愛を変える「時間術」:前段に引き続き人間関係を構築するときのハウツー
第6章 お金を変える「時間術」:時間を増やせる人はお金を増やせることを筆者の経験から語る
1つの章の中に、7つ前後のトピックがあり、1つのトピックは400~500文字程度で3分もあれば読めます。
気になった内容
タイトルにあるような時間を工面するハウツー(考え方)の他に、時間に余裕があることのメリットや大切さを説いたものもありました。今回は、時間を工面するハウツーを中心に、個人的に気になったものをピックアップします。
丁寧に、速く。
「型」を素直にしっかりと習得すること。最初は、速度は気にせず丁寧にやる。何度も繰り返していき、意識せずとも出来るようになった段階で速度を追求する。
「型」を徹底的に習得する。
「型」を習得せずに独学で習得したがる人がいるが、そういう人は途中で伸び悩んでしまう。「型」には先人の経験と知恵がすべて詰まっており、先に「型」を習得した上で「型」から離れるようにすること。順序が大事。
細切れ時間でやることを決めておく。
1回の細切れ時間にできることなど知れているが、その蓄積が1000回になれば福利のように時間の貯金ができてくる。そのためには、細切れ時間ができる前から何をするか考えておくことが大事。
まとまった時間を確保できない人は、成功しない。
細切れの時間を駆使したところでやれることは限られる。大きなことを成し遂げるには、まとまった時間を確保する必要がある。その方法は、学生なら中退、会社員なら脱サラなど、1日のうちで大きく時間を占めるイベントを排除すること。本気で時間を作りたいのなら、そのくらいの決断は必要。
1つの用事で動かない
全ての行動の前に「まとめてできることはないか」を考える癖をつけるようにする。これをすることで、2往復以上掛けてしまう用事を1回で済ませることができるようになり時間の短縮になる。
礼儀を身につければ、スピードアップする。
マナー社会で生きるサラリーマンに対して横柄な態度で接すると、あの手この手で陰湿な嫌がらせを受けるようになる。仕事が滞るようになるのだ。普通なら見逃される失敗も執拗にバッシングをうけたりして無駄に時間を奪われることになる。
礼儀を身につければ、嫌がらせを受けることは減るし、場合によっては贔屓してもらうこともあるので仕事のスピードアップにつながる。
出世すれば、嫌いな仕事を丸投げできる。
仕事は「実力」ではなく「役職」でするもの。出世をすれば、嫌いな仕事は相手に丸投げできるし、疑問に思うことも気軽に聞ける。つまり、相手の時間を自由に使うことができるので、自分の時間を節約することができる。
初歩をマスターすることこそ、究極の時短。
勉強時間の割に報われない人は、基礎の前の初歩から逃げている。要は、本質を理解できないまま丸暗記に努めて次のレベルに進もうとする。こうなると、必ずロジックの壁にぶつかるようになる。
「伸び悩んだら、初歩に戻れ」を合言葉に、勉強を進めることが一番の時短である。
模範解答のある勉強は、1冊完璧主義が強い。
模範解答のある勉強(資格試験など答えがある程度決まっているものに対する勉強)は、参考書を10冊を全て1回ずつやりこむより、1冊を10回やり込んだ方がいい。人間は、無機質なものを暗記するのは苦手だが、同じものを繰り返すと長期間覚えられるもの。また、試験でコアになる部分を完璧にしておけば未知の問題にも対応できるようになるので、1冊をやり込んだ方が結果的に時短になる。
受験を決意したら、毎日1分間は過去問を眺める。
勉強の最も大きな敗因は勉強の中身や方向性が間違っていることである。そのために、過去問で日々の勉強の中身と方向性をチェックして、軌道修正する。
誤解の無いよう、本番に類似問題が出題されることを期待するのであれば模擬試験の予想問題集を解くことで、こちらは過去問の勉強がひと段落したら着手するといい。
模範解答のない勉強は、師匠を持つと強い。
模範解答のない勉強(仕事などの答えのない勉強)は、抜群に仕事ができる師匠を見つけて、その師匠の思考パターンをコピーすること。仕事の時に、師匠だったら言いそうなこと、やりそうなことを想像して仕事をする。闇雲に自力で考えたところで成長するのに時間がかかりすぎるので、とにかく師匠の思考や行動を真似することから始める。
勉強不足のまま出逢いを求め続けている人は、未来の可能性を失っている。
勉強不足のままで人に会うと、相手を退屈させてしまい、最悪二度と会ってもらえなくなる。
人脈を作りたいのなら、先に勉強をしておくべきだ。勉強をしていく過程で成果を出したのなら、相手から声がかかることもある。本物の出逢いは本物の実力をつけた人間同士のみでしか実現しない。
感想
2~3ページで1つの内容を語る形式で、かつ1ページに書かれる文字数も少なめ(200文字。一般的には500~800文字程度)なので、本を読む習慣がない人でもとっつきやすいと思います。
なお、これは本全般に言えることですが、著者の考えの癖が強く現れている内容もあります。自分の環境に取り入れると劇薬になってしまうものもあるので注意が必要だと思いました。
おすすめは、第2章と第3章です。タイトル通りの内容が書いているのはこの章かなと感じるので、タイトルで惹かれた方はこの章を優先して読めば満足できます。